WineエミュレーターをNCHソフトウェア製品に使う
弊社製品をLinuxや他のUnix系オペレーティングシステムで使う方法
Unix系のオペレーティングシステム(Linux、FreeBSD、Solarisなど)でソフトウェアを使う場合、Wineエミュレータ/実行環境が必要になります。WineはUnixでWindows用アプリケーションを作動させるためのオープンソースのプログラムで、LinuxやFreeBSD、Solarisなどのx86上のUnix系システムに対応しています。Wineを使わずにこうした環境でソフトウェアを使うことは出来ません。
また、Wine以外にもGnomeやKDEなどのウィンドウマネージャが必要です。こうした環境でNCHソフトウェア製品を使う手順は以下の通りです:
ステップ1:Wineをインストールする
WineはUnix系システムに既にインストールされている場合がほとんどですが、常にアップデートも行われています。弊社製品が正しく実行できるのは20050930以降のバージョン(0.9ベータ版を含む)です。Wineをお持ちでない場合、または20050930以前のバージョンをお使いの場合は最新版のWineをインストールして下さい。また、Wineはほぼ毎月新しいバージョンがリリースされているので、1か月以上アップデートを行っていない場合も最新版をインストールして下さい。
WineはWineHQからダウンロードいただけます。お使いのオペレーティングシステム用のバイナリ版を選択しダウンロードを行って下さい。
Wineをダウンロードする
ダウンロードが完了したらインストールを行います。インストールの手順はお使いのオペレーティングシステムにより異なります(installpackage、rpm)ので、詳しくはインストール用パッケージのマニュアルをご覧下さい。Wineに関する更に詳しい情報はWineHQのホームページをご覧下さい。
ステップ2:ソフトウェアをインストールする
Wineエミュレーターを使って弊社ソフトをインストールする方法は以下の通りです:
- ウィンドウマネージャ(GnomeやKDEなど)を実行します
- ターミナルを開きます
- 弊社の製品ダウンロードページから希望のソフトウェアをダウンロードします(Windows版を選択して下さい)
- 以下のアプリケーションをインストールします:
wineインストーラー
例:wine imssetup.exe
imssetup.exeはIMS用にダウンロードされたインストーラーの名前で、これがソフトウェアのインストールを行い自動的に実行します。
ステップ3:ソフトウェアを実行する
インストール完了後、インストールされたフォルダを検索し、インストーラー(.exeファイル)をクリックします。
例:「cd ~/.wine/drive_c/Program\ Files/NCH\ Swift\ Sound/IMS」フォルダ内の「wine ims.exe」をクリック。
メモ:ソフトウェアは全て「~/.wine/drive_c/Program\ Files/NCH\ Swift\ Sound/application」にインストールされますが、アプリケーションフォルダ名はソフトウェアごとに異なります(例えばExpress Scribeのフォルダ名は「Scribe」です)。ソフトウェアのショートカットメニューを作成することで、次回からはショートカットをクリックするだけでソフトウェアを実行することができます。ショートカットの作成方法は別途以下でご説明いたします。
その他の便利な情報
NCH製品をアンインストールする
ソフトウェアをアンインストールするには、インストールされた製品フォルダ内のアンインストールファイルをクリックします。
例:「cd ~/.wine/drive_c/Program\ Files/NCH\ Swift\ Sound/IMS」フォルダ内のwine uninst.exeをクリック。
Gnomeの設定ガイド
- デスクトップアイコンを作成する
インストールされた製品フォルダ内の実行ファイルを右クリックし、「リンクを作成(Make Link)」メニューを選択します。作成されたリンクをデスクトップにドラッグするとショートカット用のデスクトップアイコンが作成されます。
- ログインすると自動的にソフトウェアが起動するよう設定する
以下のようなバッシュスクリプトを作成することで、ログイン時にソフトウェアが自動的に起動するよう設定することができます:
#!/bin/sh
sleep 10s;
/usr/bin/wine ~/.wine/drive_c/Program\ Files\NCH\ Swift\ Sound\IMS\ims.exe
メモ:上記の例はインストールした製品が「IMS」であったと仮定して作られていますので、「IMS」の部分は実際の製品名に合わせて変更する必要があります。
作成したスクリプトをデスクトップメニュー>プレファレンス>セッションのスタートアッププログラムに挿入します。「スタートアッププログラム」のタブをクリックし、追加ボタンをクリックします。スクリプトを検索して指定し以下のようなコマンドを入力します:
sh startwine
「startwine」が作成したスクリプトの名前です(chmod +xを使って実行ファイルのフラグを設定する必要があります)。また、スクリプトが保存されている場所へのアクセス権が必要ですの(上記の例ではスクリプトをホームフォルダ内に作成しています)。
KDEの設定ガイド
互換性に関して
- ツールバー
アイコンによってはツールバーに表示されないものや、アイコン名が途切れている場合があります。こうした問題は最新版の製品がリリースされる際に修正されていることが殆どです。アイコンによっては(削除ボタンなど)Wineの実装に関する問題により表示されていない場合があり、こうした場合はWineの最新版がリリースされることで解決されるはずです。
- フォルダのエクスプローラ
弊社製品の多くはフォルダのエクスプローラを使います(バックアップや保存などのため)。Windowsをお使いの場合はこうした場面ではWindowsエクスプローラが開き、フォルダの一覧が表示されます。Wineにはこうした機能が無いため、こうした機能を選択しても作動しません。必要なフォルダはご自身で別途検索いただく必要があります。将来的にリリースされるバージョンではこうした問題に対処して行く予定です。
- システムトレイ
弊社製品の多くはシステムトレイを使ってバックグラウンドでの実行を行う事ができます。お使いのウィンドウマネージャにより異なりますが、殆どの場合バックグラウンドでの実行にはフローティングアイコンが使われます。詳細は実装ごとに異なります。
- 起動時に実行/サービスとして実行
Wineではこうした機能はお使いいただけません。ウィンドウマネージャの起動時にソフトウェアを自動的に実行するようスタートアップ用のシェルファイルを作成することはできるはずです。詳細は実装やウィンドウマネージャにより異なります。
- ダイアログを開く/保存する
フォルダを参照する形でファイルを開いたり保存したりするとWineがクラッシュする場合があります。これはソフトウェア側の問題では無くWine側に何らかの問題があるようです。
関連ソフトウェア